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日置桜 山根酒造(鳥取県)

日置桜 山根酒造の純米酒紹介

ここで使うお米は、地元の玉栄、山田錦と、やはり地元で契約栽培されている強力(ごうりき)です。この強力は、先代の社長が種もみを探すことから始めました。
戦前までは鳥取県では広く栽培されていたそうですが、戦後の近代的な農法とは合わず、次第に姿を消していったそうです。
常温程度で飲むと、柔らかく感じられ、強力特有の酸もあまり感じられませんが、お燗にすると、強力らしい力強さと酸がふわっと出てきます。温度によって全く表情が違います。このお酒を飲まれる時は、さまざまな温度で飲まれてみるとより楽しめるでしょう。


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日置桜 山根酒造の酒蔵紹介

鳥取県東部、青谷という場所にあります。因州和紙の産地としても名が通っている所で、この日置桜の蔵の上手に、和紙の工房があるそうです。(私は行ったことがありませんが)この蔵で杜氏を勤めるのは出雲出身の松崎杜氏。

六十代半ばで小柄な体ですが、身のこなしは鋭いです。杜氏組合や広島局等の品評会でもいつも上位入賞されている腕前ですが、本人はいたって気さくな方です。そして、ここを語る時に忘れられないのが、先代の社長。上原先生が無二の飲み仲間と言われていた、なかなかの豪傑でした。

私がここへ初めて行った十数年前に、酒蔵とは別に酒造資料館を建てられたのですが、なんと、社長が気に入らない人はここに入れない、という場所。好き嫌いがはっきりしていて、舌鋒鋭い方でした。

そして、我々はこの社長のことを「出荷管理の魔術師」とよんでいました。というのは・・・

新酒をきき酒して、これはどうも今一つ・・・と思う酒も時たまあったのですが、それが瓶詰めされて送られてくると、なんともびっくりするような美酒になっていることがよくありました。

詳しく聞けば、蔵元さんが出荷管理、つまりブレンドをしているらしい、とのこと。あんな酒(山根さん、ごめん)が、

こんな酒になってしまうとは、出荷管理とは凄いものだと感心したものでした。

しかし、数年前に他界された時には、あの出荷管理の技術はどうなるんだろうと心配しました。

しかし、平成15年の冬に蔵へお邪魔した際に、現社長に話を聞くと、「出荷管理ですか? あれ、私がやってたんですよ。親父(先代社長)はやってくれって言っても、何もせんかったですからね~」とのこと。

えっ!? じゃあ、私が「出荷管理の魔術師」だと思っていたのは、先代の社長じゃなくて、現社長だったわけ!? じゃあ、これからも心配無いじゃん。と、ほっと胸をなでおろしたのでした。

ここで使うお米は、地元の玉栄、山田錦と、やはり地元で契約栽培されている強力(ごうりき)です。この強力は、先代の社長が、上原先生と一緒に種籾を探すことから始めました。

戦前までは鳥取県では広く栽培されていたそうですが、丈が高いため、戦後の近代的な農法には合わず、次第に姿を消していったそうです。この強力の特徴は、硬質米で熟成が遅いことでしょう。

本来なら2~3年熟成させてから燗にして飲むもんじゃ、というのは上原先生。確かに、私がここを訪れた平成3年頃の強力のお酒は、搾ったばかりできき酒すると、味も何も無いような、渋くて堅いお酒でした。

しかし、平成15by頃の強力からは、ちょっと見には強力には思えないような柔らかさが感じられるようになりました。また7号酵母を使われるようになったことも、酒質の大きな変化へと繋がったようです。

香りが立ちやすい9号酵母よりも、香りは大人しく穏やかだけれども、しっかりした旨味のある味になってしっとりとした味わいになる7号酵母の方が、個人的にはこのお米に合っていると思います。

そして、最近では、鳥取県中部の篤農家さんの無農薬栽培の強力や山田錦を使ったお酒を造り始めましたが、これが80%精白! が、とても80%精白とは思えない、透明感のあるきれいな味わいに驚かされます。

何も言わずに飲まされたら55~60%精白だろうと思ってしまいます。

まだ若いだけにいろいろな試みをされる蔵元さんと、それを腕で支える杜氏のコンビは、これからも続々と、おいしいお酒を提供してくれそうです。

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