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三井の寿 井上合名会社(福岡県)

井上合名会社の酒蔵訪問

福岡の地酒:三井の寿蔵の脇を流れる小石原川は坂東次郎の異名を持つ筑後川の支流です。

春先にこの蔵を訪れる楽しみの一つに、この川岸を埋め尽くす菜の花があります。「菜の花吟醸ロード」と名付けた人もいらっしゃる位、それはそれは見事な眺めです。

が・・・未だに一人ではここに到達できません。はっきり言って、分かりにくい場所です。何度お邪魔しても、なかなか地理がよく分からない。

旭菊の原田さんに言わせると、「あそこは福岡のチベットですから」だそうです。

私が初めてここを訪れたのは平成3年の春先。ふくよかで柔らかく、しかし味の底にはなんとも言えない旨味と力強さがありました。鷹勇、日置桜と山陰を回り、すぐに福岡も回り始め、どんどん深みにハマっていった時期です。

しかし、この柔らかい味わいが数年後に、ちょっとずつ変わっていきました。なんか、今までと違う味わいだよな~・・・別にまずいわけじゃないんだけど、前の柔らかい味が無くなってきたな~、と思っていました。 今から考えると、蔵元さんが、「井戸を変えてみたんです」とおっしゃっていたのですが、その時はたいして深くも考えていませんでしたが、これが味を左右する大きな原因だったんですね。

それが分かったのは、平成13年のお酒を味見した時です。一口、あれ、何これ?  なんか昔の三井の寿の味がするんだけど。懐かしいというか、やっぱりこれが三井の寿だよ~、これだよこれ~、と思って蔵元さんに

「これ、私が初めてここに来た頃のお酒の味がするんですが、何か変わりました?」と聞いてみると、

「実は、今年の造りから、井戸を昔の井戸に変えたんです。それで味が全く違うので、福岡県の試験場に、二つの井戸の水を調べてもらったんですが、全く差が無い、という結果だったんです。でも、何億円もするような機械でも分からない水の違いを、人間の舌は感じてしまうんですね」とのお答え。

これは自分にとっても、実に大きな経験でした。言われてみればお酒の成分のほとんどは水なんですよね。だから、水が違えば味が違うのは当たり前。しかし、直線距離にして10メートルも離れていない井戸の水が、これほど違う味を造るというのは驚きです。

現在、三井の寿さんでは山廃造りの純米酒に力を入れてらっしゃいます。

以前、石川県の菊姫で農口杜氏の薫陶を受けた蔵人が杜氏として赴任され、その時に山廃造りのお酒をこの蔵で造り始めました。

それからは、地元福岡県は糸島地区の無農薬栽培の山田錦を中心に、山廃造りの純米酒のラインナップを広げてらっしゃいます。

そして現在は、蔵元さんの息子さんが杜氏の重責を担っておられますので、これからが、ますます楽しみです。



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