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竹鶴酒造(広島県)

竹鶴酒造の酒蔵紹介

広島県竹原市は、江戸時代は塩田で栄えた町だそうで、今でも美観地区の言われる、昔からの町並みが残っている一画がありますが、竹鶴酒造は、この美観地区のど真ん中にあります。

また、ニッカウィスキーの創始者、竹鶴政孝の実家としても知られています。その竹鶴政孝は、ウィスキーはナイトキャップとして楽しみましたが、晩酌はずっと日本酒だったそうです。

この蔵で杜氏を任されているのは、「酒造界の大魔神」とか「酒造界のゴジラ松井」(実際、似ています)などと言われて親しまれている石川杜氏。早稲田大学時代に神亀に出会い、就学中から神亀で酒造りを始め、そのまま神亀の蔵人になってしまった冒険野郎です。

神亀さんで4年ほど酒造りを経験した後、実家のある広島県に戻り、この竹鶴酒造に蔵人として入社しました。実は彼のお父様は広島県の大手蔵の重役さんなのですが、彼は大きい蔵よりも自分のやりたい仕事が出来るから、という理由でこの竹鶴酒造に入りました。

そして2年、蔵人として働いた後、前任の杜氏さんが引退されるのに伴って、杜氏に任命されました。と同時に、彼の驀進が始まったのでした。新しい井戸を堀り、新しい道具を導入し、造りもこれまでとは全く違うスタイルになっていきました。

石川杜氏自身も言っておられましたが、やはり最初に入った神亀の影響は大きかったようです。吟醸香なぞ、これっぽっちもない。滑るような喉越しを期待してはいけません。思いっきりゴツイです。市販酒のラベルには記載されていませんが、分析値を見ると、ぶっ飛びます。香り高い、やわな吟醸になれている人なぞ、この数値を見ただけで、一口も飲みたいとは思わないでしょう。

しかあ~しっ!! 石川杜氏をはじめとする、竹鶴酒造の面々の造る味わいは、決して数値で推し量れない奥深さがあります。開けたては確かにとっつきにくいです。杜氏自ら「純米爆弾」などと言っています。冷やのままで飲めば、口の中で酸が弾けます。

でも、そのゴツイ味わいが、時間の経過とともに、なんとも言えない旨味に変わってくるのです。瓶のままだったら、二週間~一ヶ月。口の広い酒器に入れておくなら半日くらい、そのままほったらかしにしてみて下さい。

開けたてのゴツさは微塵もなく、骨太の酸が味の骨格を造り、五味が見事に調和してきます。この味わいを知ってしまったら、もう後には引けません。

香り高い吟香(石川杜氏に言わせると、あれは香りではなく臭いだ、とのこと)だけが、滑るような喉越しだけが吟醸酒ではありません。

私が最初に出会った頃の神亀の、あの野武士のような一本背筋のピインと通ったような味わいは、まさに竹鶴でしか味わえない個性でしょう。

でも実は、竹鶴を語る場合、石川杜氏だけでは到底、語りきれません。実際、雑誌の取材などでも石川杜氏はよく出てこられるのですが、その後ろでこの大魔神を操っているのが竹鶴社長。

若い杜氏の好きなようにさせ、必要な道具もすぐに購入する、新しい井戸を掘る、この社長なくしては、竹鶴は語れないでしょう。大変な酒豪で賑やかなことが大好きな社長が、実は竹鶴の黒幕なのです。

竹鶴酒造の純米酒はこちらでご購入できます。

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