お酒の飲み方いろいろ
生原酒は最初の一杯だけはおいしいが、飲み続けていると疲れる、と言われるお客様が多いことも事実です。
私も実はそうでした。確かに、新酒の爽やかさ、華のある味わいは捨てがたいのですが、最初の一杯だけで、あとは燗酒になってしまいました。
しかし、ひょんなことから、新しい飲み方を思いつきましたので、よろしければお試し下さい。
この方法だと、自分の好みの味を見つけられると思います。ただし、思いの外、酒が進みますのであっという間に徳利が空になってしまいますが、こればかりは当店の関知するところでは御座いませんので、あらかじめ御了承下さい。
手順 1、徳利を二本用意する
2、一本にはお酒、もう一本にはお湯か水を入れる
3、大きめの酒器に八分目、酒を注ぐ
4、お酒にお湯か水を足す
5、飲む。
お湯、水の分量はいろいろとお試し下さい。きっと御自分の好みの加減が分かってきます。
また、暖かいお酒が飲みたい場合は、生原酒もお燗して下さい。
私が、日本酒を飲み始めた頃、師匠である上原先生から、品質判定の最もシビアな方法として教わった飲み方です。 確かに、この方法なら、力のあるきちんと造られたお酒がすぐに見分けられました。
手順 1、徳利にお酒を注ぐ
2、お湯を沸かす
3、お酒を燗にする(熱燗でも)
4、飲まないで、翌日まで我慢する
5、翌日、燗冷ましにした酒を飲んでみる
きちんと造られたお酒は、燗冷ましにしても本当においしいです。今まで知っていた燗冷ましのイメージを払拭する旨さです。
買ってきたばかりのお酒を、さてさて、どんな味かいな、と思って栓を開けて、お気に入りの酒器に注いでまずは一杯。
すると、ん? と思ったことはありませんか?
買ってきたお店で試飲させてもらったり、お店の人の話とちょっと違うぞ、と思ったことはありませんか?
そういう時はちょっとだけ我慢して、2〜3日栓を開けたままほったらかしてみましょう。
お酒は生き物です。瓶の中でも熟成を続けています。ほんのちょっとずつ、少しずつ。
でも、栓を開けると、いっきに空気に触れるので、熟成が進みます。
それで、しばらくすると、ちょうどいい熟成具合になることが多いです。
目安は・・・お酒によっても違います。飲まれる方の好みによっても違います。
それを捜すのはあなた自身です。
お酒を最終的に完成させるのは、消費者だと私は思っています。
自分にちょうどいい味わいを探し、そのお酒に合った温度を捜す。それはあなた自身の役目です。
前回の話の中で、温度のことを詳しく説明しておかなかったので、今回は、お酒の温度についてお話しておきたいと思います。
よく飲み屋さんなんかで、「熱燗一本!」な〜んて声をよく聞きます。
それと、吟醸酒を置いてある飲み屋さんでは、お酒を冷蔵庫で保管してあることがよくあります。
で、お気に入りの酒があるので、「これ、ぬるめにお燗して」とお願いすると、「お客さ〜ん(わかっちゃいないな〜、という表情で)これ、吟醸酒なんだから、冷やして飲むんですよ」なんて言われます。
バカ言っちゃいけないよ! 金払うのはこっちなんだぜ。それに、ぬるめの燗にした方が旨いから言ってるんじゃないか!
未だに、吟醸は冷やして飲むもの。な〜んて思っているから困るんです。
第一、冷蔵庫から出したばっかりのギンギンに冷えたお酒って、おいしいですか?
確かに、三増酒の燗酒に対するアンチテーゼとしての役割は果たしたかもしれません。
でもあんまり冷えた酒じゃあ、そのお酒本来の味わいが出てこないんじゃないでしょうか。
アイスクリームが暖まったら、ものすごく甘ったるいのと同じです。アイスクリームは、あれだけ冷たいからおいしいんじゃないでしょうか。
まあ、冷やさないと(つまり、冷やして味を出さないようにしないと)飲めない吟醸があるのも確かなんですが。
お酒には、それぞれ適した温度があります。
冷やした方がいいお酒もあります。
でも、吟醸だって、燗にした方がおいしいのだってあるんです。
それに、お酒と一緒に食べる料理によってもお酒の温度だって変えたいです。
未だに、吟醸は冷やして、燗酒は熱燗、じゃあ、いやになっちゃう。
せめて、自分の家で飲む時は、自分でいろいろと温度を変えてみましょう。
冷えたのがいい酒。
室温程度がいい酒。
ぬるめの燗がいい酒。
熱燗でおいしい酒。
熱さのピークを過ぎて、ぬるくなりかかった頃がおいしい酒。
でも、これは絶対的な基準ではありません。
その時の体調にもよりますし、合わせる料理によっても違います。
もちろん、好みもあります。
(ちなみに私は猫舌なので、熱燗は苦手です)
自宅で楽しむ時には、いろんな温度でお酒の味が変化するのを楽しみたいものです。
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